自筆証書遺言とは?自宅で作成できる遺言書を解説

自筆証書遺言とは?自宅で作成できる遺言書を解説

遺言書にはいくつかの種類がありますが、その中でも最も手軽に作成できるのが「自筆証書遺言」です。

「公正証書遺言」も「自筆証書遺言」と並んでメジャーな遺言書ですが、「公正証書遺言」とちがって「自筆証書遺言」は公証役場へ行く必要がなく、自宅で作成できるため、多くの方が利用しています。この記事では、自筆証書遺言の特徴やメリット・デメリット、作成時の注意点について解説します。

自筆証書遺言とは?

自筆証書遺言とは、遺言者が自ら作成する遺言書のことです。自分が亡くなった後に、「誰にどの財産を相続させるか」といった意思を文書として残すことができます。

例えば、「妻には自宅の土地・建物を、長男には預貯金を、次男にはその他の財産を相続させたい」という希望がある場合、適法な自筆証書遺言を作成しておくことで、その意思を相続手続きに反映させることができます。

自筆証書遺言と公正証書遺言の違い

項目自筆証書遺言公正証書遺言
作成場所自宅等公証役場
費用安い手数料が必要
証人不要2人必要
無効リスク比較的高い低い
検認原則必要不要

自筆証書遺言は費用を抑えて手軽に作成できる一方で、形式の不備によって無効となるリスクがあります。一方、公正証書遺言は費用や手間はかかりますが、✅公証人が作成に関与するため、無効になるリスクを抑えることができます。

自筆証書遺言の書き方

自筆証書遺言の形式・要件

自筆証書遺言には、原則として次の事項を自署して記載します。

  • 全文(遺言の内容)
  • 日付(作成日)
  • 氏名
  • 押印(認印でも可)

※「全文」、「日付」、「氏名」は必ず ””手書き”” で自署する必要があります。「押印」は認印でも有効ですが、後日のトラブル防止のため実印を使用することをおすすめします。上記4つの要件のいずれかが欠けている場合、自筆証書遺言は無効となる可能性があります。

※ 財産目録についてはパソコン作成や通帳コピー添付が認められています。

遺言内容の記載例

遺言の内容の記載例としては、

「長男○○に京都市○○区○○町所在の土地を相続させる。」

というように、誰に何を相続させるのかを明確に記載します。財産や相続人の特定が不十分だと、相続手続きでトラブルになる可能性があります。

相続人には「○○を相続させる」、法律上相続人に該当しない人に財産を与えたい場合は「○○を遺贈する」という風に書きます。

自筆証書遺言のメリット

費用を抑えられる

自筆証書遺言は基本的に紙とペンと印鑑があれば作成できます。公正証書遺言のような公証人手数料などが不要なため、費用を抑えられる点が大きなメリットです。

自宅で作成できる

公証役場へ行く必要がなく、自分の好きなタイミングで作成できます。高齢の方や外出が難しい方でも作成しやすい遺言書です。

内容を秘密にできる

公正証書遺言の場合は証人が2人必要ですが、自筆証書遺言は一人で作成できます。そのため、遺言内容を他人に知られにくいという特徴があります。

自筆証書遺言のデメリット

方式不備で無効になる可能性がある

自筆証書遺言は法律で定められた形式を守らなければなりません。日付の記載漏れや署名の不備などがあると、遺言書全体が無効となる可能性があります。

紛失や改ざんのリスクがある

自宅で保管する場合、紛失や破損、改ざんのおそれがあります。また、相続人が遺言書の存在に気付かないケースもあります。

相続開始後に検認が必要

法務局の保管制度を利用していない自筆証書遺言は、相続開始後に家庭裁判所で「検認」の手続きが必要になります。検認前に勝手に開封すると、過料の対象となる場合があります

自筆証書遺言がおすすめな人

自筆証書遺言は次のような方に向いています。

  • 費用を抑えたい方
  • まずはとりあえず遺言書を作成したい方
  • 財産や相続関係が比較的シンプルな方
  • 遺言内容を秘密にしたい方

一方で、財産が多い場合や相続人同士の対立が予想される場合は、公正証書遺言の方が適しているケースもあります。

法務局の保管制度とは?

現在は、自筆証書遺言を法務局で保管してもらう制度があります。

この制度を利用すると、

  • 紛失のリスクを減らせる
  • 改ざんを防げる
  • 相続開始後の検認が不要になる

といったメリットがあります。

自筆証書遺言を作成する場合は、法務局の保管制度の利用を検討してみてください。

まとめ

自筆証書遺言は、自宅で手軽に作成できる遺言書です。費用を抑えられる反面、形式の不備による無効や紛失のリスクもあります。確実に遺言を残したい場合は、法務局の保管制度の利用や専門家への相談を検討するとよいでしょう。

遺言書の作成方法でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人 Wrote this article

吉﨑 理人

吉﨑 理人 行政書士 / 男性